夏の風物詩

HouHou-ShuHou!第28回

7月12日、今年も畑冷泉の営業がはじまりました。畑冷泉それは、我々にとって夏の季語。夏休み期間のみ営業の施設なのです。毎年たのしみにしているんですよねー!もともと豊前エリアが大好きなわたくしですが、この時期は特に足が向きやすくなります。

休日、ちょっと早起きして山を歩いてから、汗を流しに畑冷泉へ行くつもりでしたが、久しぶりの完全オフでのんびりぼんやりしてしまい、気づけば10時。そんな時でもお散歩気分で歩けるのが求菩提山です。ぐるっと周回して90分というコンパクトさ。

求菩提山(国指定史跡)は、福岡県豊前市のほぼ南に位置する、標高782mの円錐形の山です。

かつて「一山五百坊」と形容された山は、豊前修験道のメッカとして英彦山とともに大きな役割を果たしました。山内には修行の場や山伏たちが生活をした坊跡、堂宇、墓など当時を偲ぶことが出来る多くの遺構が遺されています。
平成13年(2001)には国の史跡に指定され、わが国を代表する修験の山として評価されました。また、山麓の集落は「求菩提の農村景観」として、平成24年(2012)国の重要文化的景観に選定されています。

https://www.city.buzen.lg.jp/kanko/shizen/kubote.html

ほぼ100%樹林帯歩きなので、少しの雨ならへっちゃら。苔や雨だれが美しくて梅雨時期も楽しいんです。秋、ふわっふわの落ち葉を蹴りながら歩くのもいい。冬は雪が積もりやすく、スノーハイクが楽しめる。山頂の手前にある「鬼が積んだ」とされる石段は850段あるといわれており、なかなかの傾斜。

壁に見えるほど斜度がきつい箇所もあるけど、安全に歩けるよう整備されています

これを一歩一歩じっくりと上り詰めると山頂です。木々に囲まれて眺めは全くないのですが、そこには巨岩の群れと国玉神社の上宮が。遺跡巡りをしながらその神聖な雰囲気の中を静かに歩くと、なんだか瞑想したような深い落ち着きや、清々しさを感じられていいんですよね。

落ち葉を踏む感触、風が木々を揺らす音、木漏れ陽、岩から滲み出る水が跳ねる時の光。ダイナミックに広がる景色を眺めることが山の醍醐味だという意見にはもちろん賛成ですが、こうして自然がもたらす繊細な一面を味わえることも、山でのお楽しみだと思います。

しとしと降る水を、毎回撮っちゃう。冬はツララの滝に。
お社の横にひっそり山頂棒

求菩提山だけをじっくり歩くのもいいですが、お隣の犬ヶ岳までつなげて歩けるのも楽しいですよ。

ヨリちゃんと歩いた犬ヶ岳ログは、ちょっと前の週報をみてね

来週はおやすみをいただき、毎年恒例の遠征登山へ行ってきます。今年は上高地から入り、涸沢まわりで奥穂高岳を目指します。これは、お店を始める前からずっと仲良くしている友人もとさんの、今年の目標である山。行ってみたかった山だそうです。我々もそれに便乗することにしました。去年一緒に奥大日ヶ岳まで行った時は晴天に恵まれたんですよね。今回、お天気どうなるかなぁー。

剱岳もばっちり見えた

みなさん、お天気アプリは何を使っていますか?わたしは「山天」です。遠征時期には課金して、詳しい予報を見ることにしています。地図アプリにせよ、お天気アプリにせよ、とっても便利な時代になりましたね。とはいえ、その情報を見て最終的な判断を下すのは自分自身。自分自身のこともしっかり理解しておかないといけませんね。

今、羽根田治さんの「ドキュメント 生還 山岳遭難からの救出」という本を読んでいます。

山で遭難したとき、いかにすれば生還できるのか。山を趣味とする人たちが予期せぬアクシデントに見舞われ、絶体絶命の状況に追い込まれたとき、彼らは何を考えどう行動したのか。その結果として力尽きて死んでいく者と九死に一生を得る者との差はどこにあるのか。生きて帰ることのできた者は、どのようにして生をつなぎとめていたのか・・・・・・。

本書は、岩菅山で道に迷って17日間、最後はマヨネーズを食べて命をつないだUさん、厳冬の槍ヶ岳で豪雪に閉じ込められながら8日間を生き延びたNさんなど、ごく一般の登山者たちの生還の記録を丹念に紹介。極限状況を生き抜いた、名もなき人々へのインタビューから浮かび上がる山岳遭難の実態を紹介します。

https://www.yamakei.co.jp/products/2811047380%20.html

この本を読んで、生き抜くためには「心持ち」がとても重要なのだと感じました。「生きる」という、心。それを持ち続けるためには”もしも”のために道具だけでなく、知恵や知識を自分の中に持っておく必要があるのでしょうね。「今」を受け入れ、その中でどういう行動をとるか判断をする。日々の山行においても、そのような視点を持ちながら行動しようと、改めて胸に刻みました。もちろん、入山前の登山届の提出は必須!家族にもしっかりと行き先を伝えておきましょうね。

そんなわけで、来週の週報はおやすみです。その翌週に、合併号でも書こうかなーなんて。

それでは、バイバイホウホーウ!

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この記事を書いた人

HouHou喫茶コーナーおよびお留守番担当

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