HouHou-ShuHou!第20回
九州南部が梅雨入りしたというニュースが流れてきましたね。ここ北九州も、そろそろ梅雨入り間近なのかい?どうなんだい?と、感じさせるような週間予報。夏がだいぶ前倒しでやってきてしまいそうな、そんな予感がします。梅雨が明けたら、その先に待っているのは…そう、夏山シーズン!
最近、「今年の夏はどこの山に行こうかな?」「夏の遠征、どう計画すればいい?」といったご相談をいただくことが増えてきました。短い夏山シーズン、ワクワクしますよね。
山遊びを始めたばかりの方にとっては、「夏山って?」「遠征ってなに?」と、ピンとこない表現かもしれません。
7月頃から9月末くらいまでの期間、つまり、夏は標高の高い山に挑戦するにはぴったりの季節なんです。というのも、標高が高い山ほど雪が長く残るので、一般的な登山はできません。夏になり雪がすっかり解けて、登山道が整い、山小屋が開き、比較的安全に登れるようになるんです。それに、高い山の上は涼しくて、九州の低山と比べると快適に歩けるという魅力もあります。日差しは強いけどね。

たとえば、北アルプスの立山(たてやま)は、初心者にもおすすめの夏山のひとつ。標高は2600mの室堂(むろどう)までアルペンルートという交通が敷かれており、バスでアクセスできて(というか、車ではアクセスできない)そこから登山スタート。

室堂に着いた時点で、そこにはアルプス特有の雄大な景色!そこからもうちょっと頑張って歩くと、九州では絶対に見られないような山々の連なり、景色を楽しむことができるのです。

九州の、近所の山で十分たのしいもーん。そんなに遠くまで行く意味わかんなーい。そんな意見もあるでしょう。わかります。わかりますぞ。なぜなら、私こそが、そう思っていたので。でもね、違うんです。景色が。空気が。植生が。
そんなわたしの遠征デビューも、立山。今から8年前、山を初めて4年目くらいのことでした。富山県黒部市に住む祖母に顔を見せに寄ってから、富山駅近くで前泊し、入山。1日目は、のんびりと室堂エリアを散策、2日目は朝からゆっくりペースで立山三座縦走、3日目は黒部ダムを見て長野側に下山という計画でした。立山三山縦走とは、北アルプスの名峰・立山連峰にある三つの主峰――雄山(おやま3,003m)・大汝山(おおなんじやま3,015m)・富士ノ折立(ふじのおりたて2,999m)――を稜線沿いに歩く天空の縦走ルート!装備、体力ともにしっかり準備ができていれば、特別なテクニックはなくても歩けます。


お宿は、雷鳥荘にお世話になりました。あっつあつの温泉に、キンキンの水風呂。ホテルのような立派な建物に、お腹いっぱいのお食事。個室もあって、山小屋に慣れていない人にもお勧めできる旅館のような宿泊施設でした。室堂ターミナルから、たった徒歩30分!いつかは夏山チャレンジしてみたいなぁーという方は、ぜひこのルートも検討してみてくださいね。

富山県黒部市というと、黒部ダムや山岳エリアのイメージが強いと思いますが、わたしの父が生まれ育った場所は、海のすぐ近く。父の実家は、庭を歩くと日本海に出る場所にありました。浜に出ると、春は蜃気楼が見えるのですが、わたしはお盆と正月にしか行ったことがないので、蜃気楼を見た記憶はないんですよね。帰省すると、おばあちゃんがたくさんのごちそうをたべさせてくれました。フードファイトか?っていうくらい食べました。

まずは新鮮なお刺身。お正月に食べるブリは最高です。つぎに、かまぼこ。わたしにとってのかまぼこは、オレンジと水色なんですよね。昆布で巻いたかまぼこも大好きです。上に穴子がのってるやつは、争奪戦。それから、マスの寿司でしょー、忘れちゃいけないのが、かぶらずし。私はこれが大好物でした。お魚の干物だったら、げんげやニギス。夏に食べる氷見うどんも大好きだったなぁ。お魚のアラでつくってくれるお味噌汁は、わたくしのお味噌汁ランキング永遠の1位。そして、別格の大好物、それが「水団子」です。

北アルプスの雪解け水が流れ着くこのエリアは、水が透明に澄んでいて、滑らかでおいしい。どんなに強力な眠気も吹っ飛んでしまうくらいの冷たさ!子供の頃は、水遊びをしてはあっという間に唇を紫にしていました。そんな名水でつくる水団子は、地元では「水だご」とも呼ばれ、流水で洗った水だんごに、甘じょっぱい青きな粉をたっぷりかけていただきます。冷たい氷見うどんとともに、夏休みの色褪せない思い出。祖母はちょうど1年前に他界し、家も他の誰かのものになってしまいましたが、また水団子を食べに立ち寄りたいなぁ。空気の澄んだ晴れの日に玄関先に立ち、指差しながら後立山連峰の山々の名前を教えてくれた祖母の背中ごしの景色は、一生大切にしたい思い出です。

さてさて、HouHouには夏物がたくさん入荷しています。小屋泊、テント泊、なんでも相談してくださいねー。坊ガツルでのテント泊、酒盛りも、最高に気持ちのいい季節。法華院温泉山荘でひとっぷろ浴びてから、大船山が赤く焼ける様子を見ながら寝っ転がっていると、「あー、ここが天国なんやろうなぁ」としみじみ生きている感が溢れます。ん?天国なのに、生きている感??よくわかりませんが、そのくらいの感動が毎回あるよってことです。憧れのテント泊、はじめてみませんか?
《みさとの夏山オススメ商品をちょこっとご紹介》
・山と道 DFメッシュメリノシリーズ
汗の吸い取り、通気、肌触りがお気に入りポイント。夏山は、だいたいスリーブレス1枚で歩き、必要に応じてシャツをはおっています。4日つづけて着ても、くさくなーい!ただいま店頭に入荷しております。サイズや色が豊富なうちに、一度見にきてくださいねー

・FLOAT OUTDOOR サングラス
顔の凹凸がすくない私でもフィットするサングラス。普段メガネをつかわない私はサングラスに抵抗がありましたが、こちらはつけているのを忘れるようなフィット感で、頭も痛くなりません。フレーム部分がしなやかなのが、とてもいいのです。上の写真で着用しているように、頭に引っ掛けておいてもずれないし落ちないのが便利。サングラス初めてさんに、はげしくおすすめです。
さて、今週はこの辺で。週末は、北九州オリエンテーリング大会でお会いしましょう。
バイバイホウホーウ!