むかしむかし2020

HouHou-ShuHou!第76号

むかしむかしあるところに、おじさんとおばさんがいました。

Photo by大林直行

おじさんとおばさんは、いつか「人々の居場所となり、それぞれの得意を持ち寄り助け合えるような、家でも職場でもない場所をつくりたいなぁ」と思っていました。古本屋さんなのか、コワーキングスペースなのか、それとも別の何かなのか。おばさんはヨガを教える仕事をしていたので、そのレッスンもできるくらの広さがある場所が望みでした。おじさんは、夜になったらビールを飲めるような空間が欲しいと夢を膨らませていました。イメージするのは「あの店、どうやって回ってるんだろう?」と、疑問が生まれるような細々とした静かな「場」

どこかにいい場所はないかな?と、なんとなく探し続けるものの、5年6年と月日は流れるばかり。40歳も過ぎた頃、そろそろちゃんと探したいよねぇと考えていた時のことです。モノレール香春口三萩野駅からすぐ近くにあるComichiかわらぐちという場所の5号室が、借りられることを教えてもらいました。その日のうちに駆けつけて中を見させてもらうことに。11のお部屋が並ぶ長屋は、トタン屋根で守られた廊下でつながっています。1階にはふたつ部屋があり、2階にもこぢんまりとした部屋がひとつ。

1階は飲食スペースだったのかな
2階は事務所利用をしていたようです

ここなら、自分たちがやってみたかったことがはじめられそう!と、ピンと来ました。駅からも近いこの物件は、次の内覧予定も決まっており、早急に決断しなければ他の人に借りられてしまいそう。おじさんとおばさんは、緊急家族会議を開きます。

何する?どうする?古本屋さんをしたいと思っていたけれど、長屋の11号室にはちょうど古本屋さんがオープン予定で準備をしているところでした。同じ通りに古本屋さんが二つあってもなぁ・・・借りようとしていた部屋の隣は、午前中から空いている立ち飲み屋さんだった為、だれでもゆっくりしていってくださいという場所にしてしまうのはちょっと怖いなぁという思いも。

話はかわって、おじさんとおばさんは仲間内でのんびりと山を楽しむ「なんとなくトレッキング部(なんトレ)」というものを立ち上げて、毎月1回「よかったら一緒にどうぞー」という活動をしていました。というのも、ふたりが山で遊んだ写真をSNSに載せるたび「いいなー、つれていって」という声がたくさん寄せられたからです。

3歳になるお嬢ちゃんもメンバーです

おじさんとおばさんは、山から降りたところから、お風呂+ごはんを含めて楽しむことをセットに遊んでいたで、みんなで街遊びをすることも楽しみの一つでした。山登りを通じて、友達の輪がどんどん広がっていくのを見ることは、ふたりに大きなよろこびをあたえました。

由布岳から降りて、とり天発祥の店へ
下山後のソフトクリームは冬だってマスト!

また、おじさんは道具マニアでもあったので、仲間の山道具についての相談もたくさん受けていました。その道具の選定や説明は、詳しくてわかりやすいと大評判なのでした。

山の道具は、日々の生活も快適にしてくれるし、外遊びだけでなく旅や日常も便利にしてくれます。実際におじさんとおばさんは、近郊の里山だけでなく、テント泊の縦走登山や、それを絡めた街での遊びも含めて、道具のお世話になりながら人生をより豊かなものにしてきました。

「これって必ずしも山だけで使うものではないのでは」という視点で、お山の道具を揃えた店にする。これならたくさんの人の役に立てそう!

そんなことから、もともとの構想どおりに「お茶を飲みながら本を読める部屋」「心身の健康を育むための部屋」、それから「旅に必要な道具を紹介する部屋」をつくることに決めました。わずか1日の間に、何年もなんとなーく描いていた夢が、急に手に触れる現実のものとなったのでした。

時は2020年2月上旬。横浜港に停泊していた大型クルーズ船で集団感染が発生し、乗客乗員の検査や療養対応が連日大きく報道されるものの、自分たちの生活にそれが影響してくるだなんて、全く考え及ばない頃のこと。

さて、物件の契約をしてしまったおじさんとおばさんの未来は、どうなるのでしょうか?

つづく


突然はじまった昔話。続きはあるのか?!それでは今週はこの辺で。バイバイホウホーウ!

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この記事を書いた人

HouHou喫茶コーナーおよびお留守番担当

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